感性工学、感性価値創出技術
長田研究室では、人間の感性を研究しています。たとえば、「おもしろい」「欲しい」「かわいい」といった気持ちを数値化して、その構造を解析。これを「感性価値」と定義づけて、商品開発などに活用しています。企業との共同研究事例も多く、これまでに、「拭き取れた」という快適感が得られる拭き取り化粧水の開発などに携わってきました。感性工学を社会貢献に生かすことをめざして、さまざまな専門家と協働しながら研究に取り組んでいます。
エピジェネティクス、生殖細胞生物学、幹細胞生物学
私たちの体は、約37兆個・270種類以上の細胞で構成されています。そんな複雑なヒトの体ですが、元をたどればたったひとつの受精卵から始まります。つまり、受精卵はすべての細胞を生み出し、個体を形成することができる細胞なのです。関研究室の研究テーマは、あらゆる細胞を生み出す生殖細胞の力を解き明かし、その仕組みを人工的に再現すること。そして、研究成果を再生医療や生殖補助医療に生かすことをめざしています。
分子細胞生物学、生化学、薬理学
肺の機能障害などを引き起こす「嚢胞性線維症（CF）」という遺伝病があります。CFTR という膜タンパク質の遺伝子変異が原因で発症するもので、いまだ治療方法が確立しておらず、40歳までに多くの患者さんが亡くなってしまいます。沖米田研究室では、遺伝子変異によって生まれた異常なCFTRが細胞内でどのように除去されるのか、また、異常なCFTRを正常に戻す方法はないかを研究。CFの治療薬開発をめざしています。
ソフトクリスタル、金属錯体、光機能、構造化学
「結晶」といえば、水晶のように硬くて安定した物質を思い浮かべるかもしれません。しかし、加藤研究室で扱うソフトクリスタルは、そんなイメージを覆す結晶です。ソフトクリスタルは、規則正しい結晶構造・周期構造をもつ安定した構造体でありながら、弱い刺激を与えると、発光、変色、変形など、目に見える変化を起こすのです。このメカニズムを解明して活用すれば、新しい光デバイス、ひいては革新的な情報技術が生まれるかもしれません。
触媒、燃料電池、ナノマテリアル
田中研究室のテーマは、自動車のエネルギーと環境の調和です。具体的には、「排ガスを街の空気よりもきれいにできないか？」「自動車の排熱を電気に変える方法はないか？」「自動車排ガス触媒技術を、福島第１原発廃炉事業の水素安全へ応用できないか？」「液体燃料から電気を作る燃料電池ができないか？」といった研究を手がけています。自動車メーカーをはじめ、国内外のさまざまな組織と連携して、望ましい社会の実現をめざしています。
南極天文学、電波天文学、宇宙観測、銀河物理学、ブラックホール
銀河の中心にある巨大ブラックホールは、その誕生が謎に包まれています。遠方宇宙で銀河がいつ、どのようにして生まれたかが分かれば、巨大ブラックホール誕生の謎に迫れるかもしれません。中井直正先生の研究テーマは、銀河を観測してブラックホールの謎に迫ること。「電波天文学」という手法を用いて、120億年以上前の宇宙の観測に挑戦しています。現在は、国内外の望遠鏡で観測を行うほか、南極に設置する望遠鏡の開発などに取り組んでいます。
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
宇宙は、数百万～数千万度もある高温のガス（プラズマ）で満たされています。高温プラズマの様子を観測する唯一の手段は、X線を活用すること。平賀研究室では、X線の画像を取得できる検出器を開発して、X線天文衛星に搭載しています。そして、打ち上げられたX線天文衛星が集めたデータから、高温プラズマの様子や、星の内部で作られた元素が宇宙空間にばらまかれていく様子を観測。それぞれのメカニズムを研究しています。
物質科学、エネルギー関連材料科学、放射光分析
持続可能な社会を実現するためには、エネルギーを有効活用する技術が欠かせません。藤原研究室では、新しい蓄電デバイスの開発をめざして、それを可能にする物質や材料の研究を行っています。電力を蓄えておける装置があれば、余分な電力が生じた場合はそこに収め、必要なときに必要なだけ使うことができます。それは、自然エネルギーの有効活用と、発電施設の最大容量を抑えることにつながります。材料科学研究を、豊かな未来の創造に生かします。
情報科学、数学、数理工学、アルゴリズム工学； 離散数学、最適化、 アルゴリズム、AI（人工知能）、CG（コンピュータグラフィクス）、 ビッグデータ、インターネット
プログラムを作成する際に欠かせない知識「アルゴリズム」。それは、問題を処理するための手順のことです。ある問題に対して、一番良い処理手順を選ぶことができれば、その処理はスピーディに行われるはずです。つまり、アルゴリズムの良し悪しは、システムの性能をも左右するのです。巳波研究室では、アルゴリズムを活用して、AIの高性能化、リアルなCGの製作、AIドローン制御、新材料開発、ビッグデータ解析などに取り組んでいます。
構造設計、構法開発、建築材料
安全で安心できる建物とは、どんな構造でしょうか。ずっしりとした堅牢な構造は、耐震性が高い一方、建物が重いほど地震の力は大きくなり、剛な構造は危険な脆性破壊を起こすことがあります。荒木研究室では、各国の建築構造基準、建築材料の構造性能などに着目しながら、軽くて丈夫な構造とはどういうものか、それを実現するにはどのような材料を組み合わせれば良いかを研究しています。
国際経済学、交通経済学、環境経済学、応用ミクロ計量経済学
大気汚染や地球温暖化など、社会には数々の課題があります。これを解決するため、政府はさまざまな政策を実施しています。「環境にやさしい車を購入したら減税する」という「エコカー減税」はその一例。ただ、このような政策は、政策が実施されなかった場合と比較できないため、効果の検証が困難です。西立野研究室では、経済学の手法を駆使して、ビッグデータなどを分析しながら、政策の効果を評価する研究を行っています。
「予備校のノリで学ぶ『大学の数学・物理』（ヨビノリ）」は、現役の東大院生・東工大院生だったたくみさんとやすさんが立ち上げた人気Youtubeチャンネル。現在も2人で運営を行っています。2021年5月、たくみさんが神戸三田キャンパス（KSC）に来訪し、5学部の教員たちとのクロスセッションに参加しました。「大学で学んでおきたかったこと」「KSCでできる分野横断の可能性」をテーマに討論した様子は、動画で視聴することができます。
赤外線天文学，宇宙背景放射，観測ロケット，惑星探査機
理学部の松浦周二研究室と、九州工業大学や宇宙航空研究開発機構（JAXA）などでつくる国際研究グループは、2021年6月、米国航空宇宙局（NASA）のロケットを使って観測実験を行いました。実験では、新開発の反射望遠鏡を搭載したロケットを、大気の影響を受けない325kmの高度まで発射。落下するまでの約5分間の間に、宇宙背景放射を観測しました。今後は、宇宙初期の天体の様子を知るため、取得したデータを解析します。
1905年に来日したW.M.ヴォーリズは、日本で建築事務所を開き、数多くの建物を手がけました。西宮上ケ原キャンパスもそのひとつ。伝道者でもある彼が、キリスト教思想の元に設計しました。神戸三田キャンパスは、ヴォーリズ建築の様式を受け継いだスパニッシュ・ミッション・スタイルを採用しています。本学の建築学部生は、ヴォーリズ・スピリットあふれる建物・空間で、「建築とは何か」「空間とは何か」を探究することができます。
神戸三田キャンパスにある新しい学びの場「CampingCampus」は、学生同士でテントを張ったり、そのそばでディスカッションを繰り広げたり、教職員も含めて焚火を囲んで語り合ったりすることが可能。非日常な時間が、知的好奇心をかきたてて、創造力あふれる学びを実現します。教室の概念も、学生と教職員との垣根なども飛び越え、地域社会や企業を巻き込みながら、固定概念にとらわれない教育の場を提供します。
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